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ホーム > 受診されるみなさまへ > 主な血液の病気の解説 > 慢性骨髄性白血病

慢性骨髄性白血病

慢性骨髄性白血病(CML)は、白血球・赤血球・血小板などの種である造血幹細胞に異常が起こる病気です。初期(慢性期)には、必要がないのに成熟した血球(特に白血球)がどんどんと作られますが、過剰に作られた血球はほぼ正常に機能するので、症状はほとんど出ません。しかし、慢性期はやがて急性期に移行します。急性期では細胞の増殖だけではなく成長(=分化)にも障害がおこり、未熟で役に立たない血球(=芽球)が増加します。急性期に移行したCMLは極めて予後が不良です。(図1)

図1

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症状

慢性期では、血液細胞が必要以上に作られることにエネルギーが費やされ、体重減少や微熱などを認める事があります。また、左上腹部にある脾臓でも血球が作られるようになり、そのサイズが大きくなることもあります。しかし最近では、健康診断の普及により無症状で診断される機会が増えてきました。急性期になると未成熟の細胞が増加し正常な血液細胞が減少します。その結果、貧血、感染症、出血などの急性白血病と同様の症状がみられます。また、急性期では原因不明の発熱、骨の痛み、肝臓・脾臓のはれ、体の様々な部位の腫瘤形成などもみられます。

診断

炎症や風邪などの感染症がないのに白血球数が増加する場合にCMLを疑います。どんな種類の白血球が増えているかを確認し、次に腰の後ろの骨(腸骨)に針を刺して骨髄(骨の中にある血液が作られるスペース)から血液を採取します。その血液でCMLに特徴的な染色体の異常(フィラデルフィア染色体)、あるいは遺伝子の異常(bcr-abl遺伝子)が見つかれば診断が確定します。

治療

慢性期の治療の目標は急性期への進行を食い止めることです。以前は、大量の抗がん剤や全身への放射線照射によって、体内のCML細胞を正常造血幹細胞と一緒に殺してしまい、その後、ドナーから新しい造血幹細胞を移植するという治療(=同種造血幹細胞移植)が標準的に行われていました。有効な治療法ですが、年齢が比較的若い(60歳以下)患者さんが対象となること、移植後に10-20%の確率でおこる致死的合併症や生活の質の低下が問題でした。現在では、グリベック(一般名:イマチニブ)という薬剤が治療の第一選択になります。グリベックの効果は高く、治療開始6年後でも93%の人が急性期に移行せず元気に生活しています。グリベックを服用すると皮膚の発疹、目の周りの腫れ、むくみ、吐き気、下痢、筋肉の痛み、肝臓や腎臓の機能の低下などの副作用が起こることがあります。

しかし、むくみには利尿剤を、吐き気には"薬を食後に服用する"などの対処を適切に行うことで副作用を軽減/予防することが可能です。染色体/遺伝子検査でCML細胞が消失しても、グリベックの中止によって病気は再発します。従って、原則としてグリベックは慢性期の状態を維持するために長期に服用を続けることが必要です。

生活上の注意

慢性期では通常の生活をして全く問題はありませんが、過度の疲労は避けるようにしましょう。

慶應義塾大学病院での取り組み

慢性期ではグリベック(400mg/日)で治療を開始するとともに副作用に対する治療を行い、出来るだけグリベックの内服を継続するよう努力します。その効果は、治療開始後3,6,12ヶ月、その後は6カ月ごとに骨髄検査を行い染色体、遺伝子の消失の程度を確認します。グリベックの効果が十分でない、副作用で内服ができない、あるいは急性期で発症した場合には、第2世代のグリベック(ニロチニブ、ダサチニブ)による治療後に造血幹細胞移植を検討しています。症状がないのに"白血病です"と診断され、大変不安だと思います。最近ではCMLの患者さん会(いずみの会)が発足をして患者さんの支援活動を始めています。連絡先はizumi_cml@yahoo.co.jpです。

図2:CMLの治療方針

図2:CMLの治療方針

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