慶應義塾大学医学部 血液内科

Division of Hematology Department of Medicine Keio University School of Medicine

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診療 このような症状の時は

血液内科を受診するキッカケとなる徴候や症状

血液中には赤血球、白血球、血小板という3つの血球と、液体成分の血漿が存在し、生体の恒常性維持に関与しています。赤血球は身体に酸素を運び、白血球はばい菌やウイルスと戦い、血小板は止血に関与します。血漿には水分や蛋白質、ミネラル、血液凝固因子、免疫グロブリンなどが存在し、役割を補い合っています。

血液疾患ではこれらの成分が異常に増えたり減ったり、機能や形態に異常が生じています。採血で異常が発見されることが多いですが、以下のような症状がきっかけとなり見つかる場合があります。

症状例

  • 少し歩くだけで息切れがする
  • 頭が痛い、疲れやすい、食べ物の味が変わった
  • 歯を磨いただけで歯肉から出血する
  • ぶつけていないのにアザができる
  • 頸、脇、脚の付け根などにしこりを触れる
  • 発熱が続く、夜間に汗をかく、意図しない体重減少

検査データの異常例

基準値は当院のものです(2018年度版)

RBC(赤血球)(単位 x106 /μL)(正常値:4.3-5.7x106 /μL)

多い場合は多血症、少ない場合は貧血などが疑われます。

Hb(ヘモグロビン)(単位:g/dL)(正常値:男性:13.5-17.0g/dL,女 性:11.5-15 g/dL)

全血液中のHbを見ており、この値が正常以下であることを貧血と言います。貧血の原因は栄養不足、感染症、骨髄不全など多様です。

WBC(白血球)(単位 /μL)(正常値 3500-8500 /μL)

多い場合は細菌感染、炎症などが疑われます。少ない場合は、ウイルス感染、薬物の副作用、骨髄での造血不全などが疑われます。

Plt(血小板)(単位 x103 /μL)(正常値 150-350x103 /μL)

多い場合は、鉄欠乏性貧血、本態性血小板血症などが疑われます。少ない場合は、特発性血小板減少性紫斑病、肝硬変などが疑われます。

MCV(平均赤血球容積)(正常値 83-100 fL)

MCH(平均赤血球ヘモグロビン量)(正常値 28-34 pg)

MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)(正常値 32-36 g/dL)  

MCVが大きいと、ビタミンB12欠乏性貧血、葉酸欠乏、過剰飲酒の影響などが疑われます。MCVが小さいと、鉄欠乏性貧血、慢性炎症に伴う貧血などが疑われます。