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血球特異的転写因子による血球のリプログラミング

(福地由美、定平 健、中島秀明)

血液細胞の分化は、多分化能および自己複製能をもつ造血幹細胞(hamatopoietic stem cell: HSC)を頂点とし、多段階の運命決定を経て特定の血球系列(白血球・赤血球・血小板など)へと変化してゆく一連の過程である。このような血球分化の運命決定には、C/EBPα, Ikaros, GATA-1, NF-E2などさまざまな血球特異的転写因子が重要な役割を果たしており、これらが失われると対応する血球系列への分化が障害される。このような血球分化の過程は従来不可逆的であると考えられ、一度ある血球系列へ分化した細胞は未熟な細胞へ逆戻り(脱分化)したり、あるいは他の血球に変化したりするようなことは決してないと考えられてきた。しかし我々のグループは、血球転写因子を本来の系列以外に異所性に発現させると分化の方向を人為的に変化させることが可能であることを見いだした。たとえば、骨髄系特異的転写因子であるC/EBPαをリンパ球や赤芽球系細胞に発現させると、これらの細胞は好中球やマクロファージに変化する。これらのことは、ある程度分化した細胞でも潜在的多分化能(latent multipotentiality)を保持しており、転写因子機能を制御することでリンパ球などの成熟血球をリプログラミングし系列転換させることが可能であることを示している。最近世界の注目を集めている体細胞の万能細胞(iPS細胞)へのリプログラミングも、たった4つの転写因子によりなされており、このことからも転写因子の制御によって細胞の分化状態を変化させることが可能であることは明白である。

我々は現在これらの技術を応用し、成熟血球のリプログラミングにより多能性血球前駆細胞の作成を目指して研究を進めている。

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発表論文

  1. Nakajima H, Ihle JN: Granulocyte colony stimulating factor regulates myeloid differentiation through CCAAT-enhancer binding protein ε. Blood 98: 897-905, 2001.
  2. Numata A, Shimoda K, Kamezaki K, Haro T, Kakumitsu H, Shide K, Kato K, Miyamoto T, Yamashita Y, Oshima Y, Nakajima H, Iwama A, Aoki K, Takase K, Gondo H, Mano H, Harada M: Signal transducers and activators of transcription 3 augments the transcriptional activity of CCAAT/enhancer-binding protein alpha in granulocyte colony-stimulating factor signaling pathway. J Biol Chem. 280:12621-9, 2005.
  3. Nakajima H, Watanabe N, Shibata F, Kitamura T, Ikeda Y, Handa M: N-terminal region of CCAAT/ enhancer binding protein ε is critical for cell cycle arrest, apoptosis and functional maturation during myeloid differentiation. J Biol Chem. 281:14494-14502, 2006.
  4. Fukuchi Y, Shibata F, Ito M, Goto-Koshino Y, Sotomaru Y, Ito M, Kitamura T, Nakajima H: Comprehensive analysis of myeloid lineage conversion using mice expressing an inducible form of C/EBPα. EMBO J. 25:3398-3410, 2006.
  5. Fukuchi Y, Ito M, Shibata F, Kitamura T, Nakajima H: Activation of C/EBPα or PU.1 in hematopoietic stem cells leads to their reduced self-renewal and proliferation. Stem cells. 2008, in press.
  6. 中島秀明: C/EBPaと血球分化. 血液・腫瘍科 55(1): 117-124, 2007.
  7. 中島秀明: 造血幹細胞/造血器腫瘍とWntシグナル. 血液・腫瘍科 55(1): 224-230, 2007.
  8. 中島秀明: 造血幹細胞/前駆細胞の分化メカニズム. 血液疾患 State of Arts Ver.3 別冊「医学の歩み」, 2005.

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