慶應義塾大学医学部 血液内科

Division of Hematology Department of Medicine Keio University School of Medicine

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教育 教授からのメッセージ

血液内科は、「革新的」です。血液内科は、従来、抗体医薬や分子標的薬など、最も多くの新規薬剤が開発されてきた診療科です。最近でも、抗体-薬物複合体(ADC)や二重特異性抗体などの新規薬剤や、CAR-T細胞療法等の新規治療法が先駆けて開発され、変貌し続けています。また、染色体検査や遺伝子診断を用いたゲノム医療は、治療法選択だけでなく、診断・予後予測などに幅広く利用されています。すなわち、血液内科は、基礎・臨床医学が融合するフロンティアです。当科では、さらなるフロンティアの開拓を目指して、様々な先駆的な研究にも取り組んでいます。特に、私達は、国内屈指のデータ駆動型研究の技術・実績(Natureなどの多数の報告)を誇り、臨床・基礎・トランスレーショナル研究のあらゆる方面で最先端のエビデンスの創出を目指しています。一方、企業と連携して遺伝子パネル検査の開発なども行っており、先端技術の臨床応用にも取り組んでいます。

血液内科には、「やり甲斐」があります。血液内科が対象とする疾患は、主に白血病やリンパ腫、多発性骨髄腫などの造血器腫瘍です。患者の重症度は高いですが、CAR-T細胞療法を含んだ新規治療と造血幹細胞移植(全国有数の実績)により根治を目指した診療が可能です。さらに、感染症やGVHDなどの様々な合併症に対応するために、総合的・全身的な内科診療を実践しています。これらを組み合わせて、重症患者を内科的治療で根治出来るところが血液内科の醍醐味です。大変な時期もありますが、皆で支え合いながら、一体となって診療に取り組むだけでなく、当番制などを設けることでワーク・ライフバランスにも配慮した体制を構築しています。

血液内科は、「多様性」を尊重しています。私は、他大学出身で、当院で最も若年の教授であるため、多くの教室員と協働しながら医局を運営しています。そのため、年齢・性別・出身、さらに、専門性や臨床・研究の指向を問わず、教室員同士がお互いを尊重し、助け合うこと、そのためのコミュニケーションを取ることを最も大切にしています。さらに、同じ目標を共有しながら、自由闊達な雰囲気で診療・研究に取り組める環境の醸成に努めています。同時に、学生・研修医、そして入局者への教育にも教室全体で注力しており、特に、若手にはチャンスを与えて、自らの成長を促しています。

私達と一緒に最先端の血液内科学を学び、新しい世界を切り開く仲間になってくれることを心より願っております。